カラフルな矢印棒グラフの作り方

カラフルな矢印棒グラフ

今回は、カラフルな矢印棒グラフの作り方について紹介していきます。

前回は、カラフルで丸みを帯びた棒グラフを作成しましたが、それとは正反対に、よりカクカクした棒グラフに挑戦したいと思います。通常の棒グラフは、長方形のカクカクした図形からなりますが、さらに先っぽを尖らせた矢印の形状になります。

こういった棒グラフは、見る人にシャープなイメージを与え、IT等を扱うのにちょうど良いように思います。

何のVizを作ってみようか、Tabeau Publicのサンプルデータを見ながら考えていると、モバイル OS の利用率が公開されていることに気が付きました。そこで、このデータを使って、 2014年度のモバイル OS の利用率Top10を作ってみました。

では、作り方の説明をはじめていきましょう。

カラフルな矢印棒グラフの元データ

元となるデータは以下のような項目のファイルになります。

  • 1列目:Mobile Browsers
  • 2列目:Share

2014 年における、各モバイルオペレーティングシステムの市場占有率を表しています。

Mobile BrowsersShare
Android18.87
Safari22.57
Opera9.13
::
Other0.07

データの取得先

データの取得先は、以下になります。

https://gs.statcounter.com/#mobile_os-ww-monthly-200812-201412

なお、以下のTabeau Publicのサンプルデータページにて公開されているため、最初は「テクノロジー」のカテゴリーの「モバイル OS の利用率」のデータを使用しようとしました。

https://public.tableau.com/ja-jp/s/resources

しかし、データを確認すると、Date列が一部しか入っておらず、データが不完全な状態であると思ったため、参照元であるStatCounterのデータを使用することにしました。

ワークシートの編集

次の流れでワークシートを編集していきます。

  1. 「Mobile Browsers」を行シェルフに入れます。
  2. 2回、「Share」を列シェルフに入れます。ワークシートの編集①②を説明する画像
  3. 列シェルフにある2つ目の「合計(Share)」を右クリックして、「二重軸」を選択し、軸の同期(横軸を右クリックして、「軸の同期」を選択)をとります。ワークシートの編集③を説明する画像
  1. 「すべて」マークパネルの色に「Mobile Browsers」を入れます。ワークシートの編集⑥を説明する画像
  2. 「合計(Share)」マークパネルのマークタイプを「棒」に変更します。ワークシートの編集⑦を説明する画像
  3. 「合計(Share)(2)」マークパネルのマークタイプを「形状」に変更します。ワークシートの編集⑧を説明する画像
  4. 「合計(Share)(2)」マークパネルの形状にて、「◆」を選択します。ワークシートの編集⑨を説明する画像
  5. 行シェルフにある「Mobile Browsers」を右クリックして、「並び替え」を選択します。
  6. 並べ替え画面が表示されるので、以下のように指定します。
    • 並べ替え:フィールド
    • 並べ替え順序:降順
    • フィールド名:Share
    • 集計:合計
  7. フィルターシェルフに「Mobile Browsers」を入れます。
  8. フィルター[Mobile Browsers]画面にて、上位タブを選択します。
  9. 「フィールド指定」を選択し、上位10のShareの合計となっていることを確認して、「OK」ボタンを押します。
    ワークシートの編集⑫を説明する画像
    ワークシートの編集を説明する画像

ワークシートの微調整

次の流れでワークシートの微調整をしていきます。

  1. 「合計(Share)(2)」マークパネルのラベルにて、「マークラベルを表示」にチェックを入れます。
    ワークシートの微調整①を説明する画像
  2. 上部の横軸を右クリックして、「ヘッダーの表示」のチェックを外します。
  3. 下部の横軸を右クリックして、「ヘッダーの表示」のチェックを外します。
  4. Viz上で右クリックして、「書式設定」を選択します。
  5. 線の書式設定にて、列のグリッド線、および、シートのゼロラインを「なし」に設定します。
  6. 枠線の書式設定にて、行の境界線、および、列の境界線を「なし」に設定します。
  7. Viz上で、行の高さを調整します。
  8. 「合計(Share)(2)」マークパネルのサイズにて、矢印の形になるようにサイズを調整します。
    ワークシートの微調整②~⑧を説明する画像
  9. 「すべて」マークパネルのツールヒントの「ツールヒントの編集」を開き、「ツールヒントの表示」のチェックを外します。
    ワークシートの微調整を説明する画像

ダッシュボードの編集

次の流れでワークシートを編集していきます。

  1. 新しいダッシュボードを追加します。
  2. サイズにて、「固定サイズ」の「A4横(1169×827)」を選択します。
  3. 「ダッシュボードのタイトルを表示」にチェックを入れ、ダッシュボードの名前を「カラフルな矢印棒グラフ」に変更します。
  4. 作成したシートを追加し、「タイトルの非表示」にチェックを入れるとともに、凡例を削除します。
  5. テキストを追加し、Vizを説明する文言を追加します。
  6. シートを非表示にします。
    ダッシュボードの編集を説明する画像

カラフルな矢印棒グラフの完成

これで、カラフルな矢印棒グラフの完成です。

Tableau Publicのリンクを貼っています。

このVizでは、2014年度のモバイル OS の利用率Top10を表しており、利用率の高い順に並べられています。2014年度において利用率が最も高いモバイルOSはChromeであり、29.76%の利用率であることがわかります。

注意点

カラフルな矢印棒グラフを利用するにあたり、1点、注意点があります。

それは、値が小さいときに、以下のように矢印の形状が壊れてしまうところです。矢印は長方形と「◆」の組み合わせによって形成されるのですが、値が小さいと、長方形の幅が小さくなってしまって、「◆」の左側が長方形をはみ出してしまうのです。

注意点を説明する画像

そのため、今回の例では、Top10にデータを絞ることにしたのです。

作ってみての感想

長方形の棒グラフばかりでは、つまらないということもあるでしょう。今回のカラフルな矢印棒グラフを使えば、目を引くように思います。見る人にシャープなイメージを与えるでしょうし、ITやテクノロジー、最先端なものを取り扱うのに向いているように思います。

また、今回、Top10の中には正直知らないモバイルOSもあったこともあり、それぞれのモバイルOSの色合いについてまで特に考えていませんでした。しかし、見る人に理解してもらいやすくなるでしょうし、扱うトピックによっては、各項目の象徴する色にあわせるのもよいでしょう。

私も、機会があれば使ってみようとも思いますし、ぜひ、興味を持たれたら、試しに活用してもらえたらとも思います。